高血圧では、飲酒量を減らし、野菜を増やすことが対策になります。飲酒は量が多いほど血圧を上げやすく、野菜不足は食塩のとりすぎやカリウム不足を通じて血圧管理を難しくすることがあります。ただし、腎臓病や糖尿病、服薬中などの場合は、野菜・果物の増やし方や飲酒量を主治医に確認してください。
飲酒と野菜不足が高血圧に関係する理由
飲酒は一時的に血圧を変化させるだけでなく、習慣的に量が多いと血圧を上げる要因になります。飲酒量を減らすことで、血圧の改善が期待できますが、効果には個人差があります。
野菜不足そのものだけで高血圧になるとは限りません。しかし、野菜が少ない食事では、加工食品や外食などから食塩を多くとりやすくなります。また、野菜に多く含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムの排出を助ける栄養素です。
そのため、飲酒量を見直すことと、野菜を含む減塩中心の食事に変えることを同時に行うのが基本的な対策です。
高血圧の人が飲酒を見直す方法
まず、飲酒を禁止できるかどうかではなく、1日あたりの純アルコール量を把握して、量と頻度を減らします。日本の高血圧診療では、目安として純アルコールを男性は1日20〜30g未満、女性は1日10〜20g未満に抑えることが示されます。ただし、これは全員に飲酒を勧める量ではありません。飲まない人が健康のために飲み始める必要はありません。
純アルコール量の計算方法
純アルコール量は、次の式でおおよそ計算できます。
飲み物の量(ml)×アルコール度数(小数)×0.8=純アルコール量(g)
| 飲み物の例 | 量・度数 | 純アルコール量の目安 |
|---|---|---|
| ビール | 500ml・5% | 約20g |
| 日本酒 | 180ml・15% | 約22g |
| ワイン | 150ml・12% | 約14g |
| 焼酎 | 100ml・25% | 約20g |
商品によってアルコール度数は異なるため、缶や瓶の表示を確認してください。特に高アルコールの缶チューハイは、少ない容量でも純アルコール量が多くなることがあります。
飲酒量を減らす具体策
- 飲む前に、その日に飲む量を決める
- 大容量の商品ではなく、小さい容量を選ぶ
- 水や炭酸水を間に飲み、飲酒のペースを落とす
- 毎日飲まず、飲まない日をつくる
- 自宅の酒を買い置きしすぎない
- 寝るため、ストレス解消のためなど、飲酒以外の方法を用意する
長期間にわたって多量に飲酒している人は、急にやめると離脱症状が起こることがあります。手の震え、発汗、不眠、吐き気などがある場合や、飲酒を自分だけで減らせない場合は、医療機関に相談してください。
野菜不足を改善する食べ方
野菜は、毎食少しずつ取り入れると続けやすくなります。日本の食事の目標では、野菜を1日350g程度とする考え方がありますが、最初から量を厳密に測る必要はありません。まずは、現在の食事に小鉢1皿分を追加する方法が現実的です。
- 朝食に、トマト、サラダ、具だくさんの汁物などを1品加える
- 昼食では、麺類だけにせず、野菜の入った定食や副菜を選ぶ
- 夕食では、肉や魚と同じくらい、野菜・きのこ・海藻を組み合わせる
- 冷凍野菜、カット野菜、無塩の野菜ジュースなども使い、切らさない工夫をする
- 1週間ほど続け、食べられた日数と量を振り返る
野菜ジュースは野菜そのものの代わりになるとは限らず、商品によっては糖分や食塩を含みます。利用する場合は、栄養成分表示で糖分と食塩相当量を確認してください。
野菜を増やすときも減塩を意識する
野菜を食べていても、ドレッシング、漬物、加工食品、濃い味の汁物を多くとると、食塩が増えることがあります。高血圧対策では、野菜を増やすだけでなく、次のように味付けも見直します。
- 汁物は具を増やし、汁を飲む量を減らす
- しょうゆやソースはかける前に量を決める
- 漬物や加工肉を毎食つけない
- だし、酢、香辛料、香味野菜を使って薄味でも食べやすくする
- 食品表示の「食塩相当量」を確認して、同じ種類の商品を比べる
野菜不足の改善は、食塩を減らしやすい食事に変えることと組み合わせると、血圧管理に役立ちます。
野菜や果物を増やす前に確認したい人
腎臓の機能が低下している人や、血液中のカリウムが高い人は、自己判断で野菜や果物を大量に増やさないでください。カリウムの摂取制限が必要な場合があります。
また、糖尿病がある人は、果物や野菜ジュースの糖分にも注意が必要です。服薬中の人、腎臓病・心臓病がある人、透析を受けている人は、食事や飲酒の目標を主治医または管理栄養士に確認してください。
飲酒と食事の見直しを血圧で確認する方法
生活習慣を変えた後は、家庭血圧を同じ条件で測ると変化を確認しやすくなります。飲酒直後の数値だけで判断せず、朝と夜など決めた時間に測定して記録します。
- 測定前にトイレを済ませ、数分間座って安静にする
- 背もたれのある椅子に座り、腕を心臓の高さに置く
- できるだけ同じ腕・同じ時間帯で測定する
- 血圧と脈拍、飲酒量、体調を記録する
- 1〜2週間程度の記録を持って、診察時に医師へ見せる
家庭血圧が繰り返し高い場合は、飲酒や野菜不足だけが原因とは限りません。自己判断で薬を中止せず、医療機関で相談してください。特に、激しい頭痛、胸の痛み、息苦しさ、麻痺、ろれつが回らないなどの症状がある場合は、緊急の対応が必要です。
高血圧と飲酒・野菜不足への対策の要点
最初に行うことは、1週間の飲酒量を純アルコール量で記録し、同時に野菜を毎食1品加えることです。そのうえで、飲酒しない日を設け、汁物・漬物・加工食品などの食塩も減らします。
飲酒量を抑える、野菜を増やす、減塩する、家庭血圧を記録するという4つを続けると、自分の生活習慣と血圧の関係を確認しやすくなります。腎臓病などの持病がある人や、飲酒量が多く減らすのが難しい人は、医療機関に相談しながら進めてください。







